編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

日韓関係

「こういうズルいのがいちばん許せんさ」

 週末、実家に帰って87歳の母と会話をしていて驚いた。韓国の曺国法務大臣(その時は候補者)の子どもの有名大学への不正入学疑惑を罵る言葉を聞いたからだ。先週号の「金曜日から」で渡辺が言っていたのはこういうことだったのか、と納得。

 11時間に及ぶ記者との質疑などすっとんで、追及を逃れて逃げ回る日本の与党政治家と重ねているようにも思える。どうして韓国の一閣僚のことばかりテレビのワイドショーは騒ぎ立てるのか。消費税増税前の混乱や、日露首脳会談の“成果”を吟味することも大切だと思うのだけど。

 家に戻り、韓国のBTS、SEVENTEENらがお気に入りの高校3年の子どもに、その界隈で今回の日韓関係悪化がどう受け止められているかきいた。

「ここしばらくは韓国に行けないね、とか話が出たけど」。ふーん、静観か。ちょっと寂しいけど。あ、でも受験が待ってる君たちが行けるわけないよね、とイヤミが口をついて出そうになるのを私は抑えた。

まだまだ足りない

「竹島も本当に交渉で返ってくるんですかね?戦争で取り返すしかないんじゃないですか?」。丸山穂高議員のツイッター(8月31日)は呆れるばかりだ。”戦争も辞さない”という同様の過去の発言は、議員辞職を促す「糾弾決議」が衆院全会一致で出されたはずだ。その主張をこのタイミングで繰り返す議員の目論見は想像さえしたくない。強い批判はなされているが、韓国ヘイトは過熱するばかり。『週刊ポスト』の特集記事はやはり一線を越えている。ただ、これまでの同誌の論調とどこが違うのか。

「徴用工」問題について本誌の解説がほしいと多数の読者から要望を戴いていた。今週号でそれに応える企画を組んだが、まだまだ足りない。次週も日韓問題に取り組む。本誌8月2日号のボーダーツーリズムの特集に「常に他者と接触する地域は、ナショナリズムに傾斜したときでさえ、他者を包摂する必要性を忘れない」とある。彼・彼女らの怒りと困惑を今回の騒動中に聞いたが、安倍政権はどう応えるのだろう。