編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

派遣法改正で09年を“記念すべき”年としたい

 足の裏まで鈍い痛みがずしんと響く、耳を塞いでも目を閉じても構わずに侵入してくる、そんな耐え難いニュースが絶え間なく襲ってくる。覚悟していたとはいえ、コールタールの海に突き落とされた気分で09年は始まった。どこにも明かりが見えないし、必死にもがいても、全身は思うように動かず進まない。

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憲法違反の裁判員制度を『朝日新聞』も推進

「国の最高法規とは何か」の質問には、だれでも「憲法」と答えられる。「国民の義務が納税、教育、勤労」であるのは中学生ならわかる。でも、今後は二つとも正答ではなくなるかもしれない。後者についていえば、四大義務として「裁判員」が加わるからだ。そして、憲法違反である新義務が実現してしまうとすれば、一般法が上位に立つのだから、論理的に憲法は最高法規ではなくなる。

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オバマ氏の「チェンジ」は一国覇権主義の復活を目指すのか

 人間はこわれやすい。地球もこわれやすい。だから、ていねいに心をこめて向き合わなくてはならない。そのやさしさを持ち合わせているかどうかで、人を、とりわけ力を持っている人々を評価するようになった。世界で最も大きな影響力を持つポストにつくオバマ氏はどうか。今のところ、高い評価を与えることはできない。

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09年は「考えるべきこと」について考えることから始めたい

 裸木に数枚の枯れ葉がついて風に揺れている。大半の葉は路上に落ち片付けられたのに、なぜ、この数枚だけが生きているのか。いや、すでに命は失われているのか。土に還った、あるいは清掃車で運ばれた葉と、木にとどまっている葉は、どちらが幸せなのか。そもそも葉に幸不幸の想念はあるのか。ひたすら考える。

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