編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

「砂川事件」の新資料が浮き彫りにした、「日本は米国の属国」という現実

「砂川事件」に関し「米軍駐留は違憲」という伊達判決が出されたのは1959年。小学生の私は米国に憧れていた。かの国のテレビドラマでは、冷蔵庫に果物やジュースが所狭しと入っている場面が年中、出てくる。それだけでうらやましくて仕方ない。二階建ての、部屋がいくつもある家はまさに羨望の的だった。

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ヤマ場を迎えた国鉄闘争の帰趨は、明日の日本を占う

 平日の午後でも乗客の絶えることがない、あるJR駅。たまたまホームの乗降口に近い車両に乗っていたので、降りる人のため、いったん車外に出た。さて乗り込もうとしたところ、ドアが突然、閉まりだした。あわてて両腕を差し込み、何とか滑り込んだ。私以外にも何人かが”被害”に遭いそうになった。運転手さんがほんの10秒もまってくれればすむ話しだった。

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お年寄りをいじめ米国に利益を還流して、何が「道徳教育」だ

 何かと話題の後期高齢者医療制度。どうせ浅知恵と悪知恵の官僚・政治家が、「民益」はそっちのけで考えついたのに相違ない。「国益」をタテマエにしながら、頭にあるのは「省益」「党益」「私益」だけ。その結果、本誌今週号で特集したように、「民益」につなげなければならない「国益」を「米国益」に結びつける。まったく、いい加減にしろだ。

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憲法を救い、活かす第一歩は、ひとり一人が熟読し声に出すこと

 思い切って自画自賛に徹し、近刊「伊藤真・長倉洋海の日本国憲法」の宣伝を。限りなくある憲法本の中でも、本誌連載を一冊にまとめたこの本は、異彩を放つ。伊藤真さんの逐条解説は、憲法条文が持つ豊穣な果肉を、端的にわかりやすく切り取り捌いてみせる。長倉さんの写真は、憲法がいかに世界を慰撫できる「潜在力」を持つか描き、私たちの想像力をかきたてる。

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