編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

世襲議員のみなさん、「老人力」をなめると大変なことになりますよ

 福田康夫、安倍晋三、小泉純一郎、町村信孝、小沢一郎、鳩山由紀夫――こう羅列してみると、今さらながら世襲議員の多いことに驚く。この人たちの共通項は「生活の苦労を味わったことがない」ということだ。多少の「努力」さえすれば、成功は初めから約束されていた。何しろ、「食べるための努力」は必要ないのだから。

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サミットで「秋葉原事件」は語られるのか

 雨上がり、木々は特別にかぐわしい香りを放つ。春の花が鼻腔をくすぐるのとは異なり、嗅覚の全体を覆い尽くす感じだ。雨は嫌いだが、この感覚は捨てがたい。とはいえ、都心でまとまった緑を探すのは難しい。温暖化の危機が増す一方で、コンクリートジャングルは増殖の一途なのだから、人間社会の矛盾は甚だしい。

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「気に入らない」者を排除する警察に、市民警察を名乗る資格はない

 コマ劇場がなくなる。長らく“新宿の顔”だった。中学生のころ、祖母と、舟木一夫の公演を何度か観に行ったことがある。なぜ舟木一夫なのか、よく覚えていない。ただ、脂粉と嬌声でむせかえる、猥雑な雰囲気だった印象は強く残っている。こちらはたびたび出かけた歌舞伎座とは、およそ趣が違っていた。

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「1968年」から40年目の年に考える「闘争からの逃走」

 うかつにも今年が「1968年」から40年目の年にあたることを忘れていた。同様に「1978年」から30年目であることも意識の外だった。いくら口先で「闘争」と言ったところで、すでに「社会を変えうる想像力」は垢にまみれ、怒りに震える魂も錆び付いている現実を実感し、身をすくませる思いだ。

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