編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

まだまだ足りない

「竹島も本当に交渉で返ってくるんですかね?戦争で取り返すしかないんじゃないですか?」。丸山穂高議員のツイッター(8月31日)は呆れるばかりだ。”戦争も辞さない”という同様の過去の発言は、議員辞職を促す「糾弾決議」が衆院全会一致で出されたはずだ。その主張をこのタイミングで繰り返す議員の目論見は想像さえしたくない。強い批判はなされているが、韓国ヘイトは過熱するばかり。『週刊ポスト』の特集記事はやはり一線を越えている。ただ、これまでの同誌の論調とどこが違うのか。

「徴用工」問題について本誌の解説がほしいと多数の読者から要望を戴いていた。今週号でそれに応える企画を組んだが、まだまだ足りない。次週も日韓問題に取り組む。本誌8月2日号のボーダーツーリズムの特集に「常に他者と接触する地域は、ナショナリズムに傾斜したときでさえ、他者を包摂する必要性を忘れない」とある。彼・彼女らの怒りと困惑を今回の騒動中に聞いたが、安倍政権はどう応えるのだろう。