編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

参院選を「勝った負けた」の宴で終わらせてはいけない

 国会を巡る記事には「政治報道」と「政局報道」がある。選挙の議席予測や首相レースの見通しなど「勝った負けた」の類は後者である。プロ野球やサッカーワールドカップの報道と基本は変わらない。予想を外さないためには、スポーツ界と同様、永田町という狭く閉じられた“ムラ”での情報や人脈が決め手となる。

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参院選で審判を下すのは、市民という「無名の強者」だ

 岩手県で感動的な話を聞いた。あるJR駅に、毎日のように通う女性がいる。赤ん坊を連れた彼女は、列車を待つ乗客ひとり一人に、チラシを渡しては説明する。「平和は大切です。9条を守りましょう」。草の根の護憲グループに入った女性は、「私にできることはこれくらい」と、駅通いを日課にしているというのだ。

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安倍さん、支持率低下にはそれなりの理由があるのです

 誰が最初に気づいたか、「美しい国(うつくしいくに)」は逆さから読むと、「憎いし苦痛(にくいしくつう)」になる。圧倒的支持率のもと、「美しい国」を掲げ颯爽と登場した安倍晋三首相は、ここまでの人気急落を、およそ想像しなかっただろう。メディアの調査結果通りになれば、参院選で自民党は大敗する。首相はさぞかし世論調査を憎み、苦痛にあえいでいるに違いない。

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『夕凪の街 桜の国』を観て思う戦争責任

 批判的な声をいくつか聞いた上での試写会だった。『夕凪の街 桜の国』は「広島のある 日本のある この世界を愛する すべての人へ」という字幕から始まった。こうの史代さんの原作は、手塚治虫文化賞新生賞を受賞。監督は『半落ち』の佐々部清さん。俳優も粒ぞろい。期待にたがわぬ「いい映画」だった。

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