【特集】高市政権1年

「首相の資質」を問う

高市早苗内閣が発足して10月21日で満1年になる。衆院で自民・維新両党が握る圧倒的多数と高支持率を武器に、予算や世論を分断する法案を押し通す強権的な国会運営が常態化している。台湾有事を巡る首相の答弁に中国は猛反発、関係改善の見通しは立たない。米国第一主義を掲げるトランプ政権への追従一辺倒の外交姿勢や物価高。飲食料品の消費税1%や財政規律の緩みも将来に禍根を残しかねない。高圧的な高市政権の現状と今後について、内政、外交・安全保障、金融財政、歴史認識、ジェンダーの専門家が検証する。

  • 山崎拓・自民党元副総裁に聞く
    最大の懸念は「無責任な放漫財政」
    自民党は割れるしかない

    聞き手・まとめ/中澤雄大

    高市早苗内閣が10月21日、発足から1年を迎える。あからさまな対米追従、SNSでの一方的な発信と国会審議の軽視、さらには安定財源を欠いたままの「消費税1%減税」……。「将来に禍根を残す」と指摘されるこの1年の政権運営に関して、自民党副総裁・幹事長などを歴任した重鎮、山崎拓氏につぶさに検証してもらった。

  • 牧原出・東京大学教授(政治学)に聞く政権運営
    リーダーの資質の根本が欠けている
    聞き手・まとめ/金本裕司

    強引な政権運営が目立つ高市早苗首相。東京大学の牧原出教授(政治学)は、首相は他者に共感する力に欠け、それが「政治の間口」を自ら狭めていると指摘する。政権の性格と2年目の展望を聞いた。

  • 「旧姓法案」と議員定数削減、売春防止法の改正の行方
    首相が眠れない国のジェンダー政策
    申□榮(□は王編に其)

    初の女性首相で、ジェンダー平等政策が進むと感じている有権者が多いことが「高市人気」の背景にあるとされる。だが、改善は見えてこない。

  • 「デフレ脱却宣言」から逃げ続けて積極財政
    政治判断がゆがめる経済政策
    後藤逸郎

    ゆがんだ経済認識に基づく経済政策は、国民生活に大きな打撃となる。日本経済はインフレなのか、高市首相は明確に答えない。政府がデフレ脱却の条件とする三つの経済指標を達成しても「デフレ脱却宣言」をかたくなに拒否する高市政権。その経済認識の問題点をあぶりだす。

  • 冷え込む日中関係を考える
    大戦略なき外交から脱却を
    宮本雄二

    高市早苗首相の台湾有事を巡る答弁で日中関係が冷え込む中、自民党の岩屋毅前外相率いる経済団体は9月に訪中して関係改善を模索した。一方、米国のトランプ大統領は中国を「同盟国」と呼び、異例の親密さを演出した。激変する世界情勢にあって、日本はいかなる大戦略を描いて対中外交に臨むべきか。歴史の教訓を踏まえ、元駐中国大使の宮本雄二さんが提言する。

  • 外交成果を損なう「歴史認識」
    「強い日本」の誇示よりも国民的な憲法熟議へ
    波多野澄雄

    独自の愛国主義を貫く高市早苗首相。歴史認識の「本音」がもたらす外交上の懸念と、高市首相が目指す改憲発議が「憲法熟議」につながる可能性について、政治外交史や歴史認識の問題に詳しい国際政治学者の波多野澄雄さんが解説する。

  • シリーズ 声をあげた若者たち
    国会議員に政策を提言する19歳
    篠原一騎
    中村眞大
  • 3.11から15年 震災を語る
    福島の原発事故後も
    三重で「農」を生きる・村上真平
    藍原寛子
  • 不謹慎な旅(101) ギリヤーク尼ヶ崎
    路頭に念誦する鬼 写真・文/木村 聡
  • 【提携連載企画】 〈人質司法〉 悪党たち 23
    「クローズアップ現代」を骨抜きにしたNHK
    1週間で「人質司法」を消した「想定問答集」
    Tansa渡辺 周、中川七海
  • くらしの泉
    【住まい】
    中古マンションはコスト高?
    修繕計画の確認を怠りなく
    内藤眞弓
  • きんようぶんか
    ドキュメンタリー映画『東京上空300メートル』
    大墻 敦監督インタビュー
    調査報道を軸に日米地位協定の特権を問う
    鈴木 隆
    【本】
    『リベラル再起の条件』
    武田砂鉄
    『百年映画館』 田沢竜次
    『クシシュトフ・ヴォディチコ アンビヴァレントな記憶装置』 五所純子
    【映画】『ハードボイルド』 平嶋洋一
    【音楽】『Expectation』 後藤 誠
    【舞台】Pカンパニー『ひまわり認定こども園の悩める人々』 藤原央登
    【TVドキュメンタリー】 ワタナベ=アキラ
    【本】
    『十六歳 父が遺したいのちの手記』
    文 聖 姫

次号予告:2026年10月16日(第1588)号

【高市政権1年 「首相の資質」を問う】 ●亀井静香・元自民党政調会長に聞く 「米国のポチ」では国を守れない|聞き手・まとめ 中澤雄大 【成田空港60年 破られた住民との約束】 ●「強制収用は約束違反だ」亀井静香元運輸相が国に迫る|中澤雄大 ●「強制収用」の陰に埋もれたもう一つの犠牲 「密室協議」で拡大する騒音被害|樋ケ守男 ●農民とともに歩んだ平野靖識氏インタビュー「円卓会議での合意踏まえぬ空港機能強化に、正統性はない」|野呂則夫 ●年表・成田空港閣議決定から60年 ●『三里塚に生きる』で撮った10人の証言 その地に生きつづけるということ|代島治彦 ●映画「三里塚」シリーズ監督小川紳介の軌跡、伏屋博雄が語る 農民とともに映画を穫(と)る|ワタナベ=アキラ ●地域再生と公共性の再構築 今よみがえる宇沢弘文の「三里塚農社」構想|松下和夫 ●「政治」を知らない学生たち 三里塚に突きつけられた現実と「民主主義」|宮盛邦友 【報道】 ●西日本新聞調査報道「歪んだ関係 福岡県政を追う」 「はじまりは小さな違和感」書かなければ変わらなかった|金子渡 【映画】 ●『うそがほんとに ほんとがうそに』対談 金聖雄×周防正行 冤罪という理不尽 輝きを増す人間力 【好評連載】 ●風速計 いのちのとりで裁判4訴訟が23日に判決|雨宮処凛 ●政治|三牧聖子 ●新・買ってはいけない 「ギルティでグリーン」アンチ健康飲料を飲み続けると?|渡辺雄二 ●くらし 食の安全を揺るがす事件が続く やっぱり中国産は心配|垣田達哉

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