編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

「経済難民」を不可視の存在にしてはならない

「派遣村」に関し、一部に、はらわたの煮えくりかえる報道があった。「ホームレスの人もいた」ことを、さも大問題のように報じたものだ。確かに「村」の趣旨とは外れるかもしれない。主催者の困惑ぶりも聞いた。だが、「経済難民」では共通している。重箱の隅をつつくような、下らない批判にすぎない。こうした、「派遣村」の成果を故意におとしめたり、運動の分裂をあおろうとするような記事は、ジャーナリズムとはかけ離れている。言語道断だ。

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「税金は『金持ち』からとる」という、博愛や友愛の発想が必要だ

「愛」という文字は、どうしてこんなに画数が多く、書くときにまとまりにくいのだろう。語源をみると、「いっぱいの切なさ(心)に、足をひきずる意を足したもの」とある。複雑で、なかなか思うようにいかないからこそ、表す文字も単純とはならなかったのか。確かに、「愛」が二画か三画の文字では味気ない。

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和歌山カレー事件は冤罪の可能性が高い。犯人視報道のマスコミは自己批判できるか

 NHKラジオのニュースを聞いていて、何となく違和感があった。改めて注意深く耳を傾け、はっきりした。事件記事で「警察への取材でわかった」という、新しい表現が使われていたのだ。これまでは「警察への取材」と断りを入れることはなかった。発表や夜回りで聞いたことを、そのまま「事実」として垂れ流していた。新聞も微妙に書き方を変えている。いずれも、裁判員制度の導入を控え「取材源を極力、明示する」「警察べったりではありません」という姿勢を見せたいのだろう。

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医療費の窓口負担をゼロにすることが日本を救う

 おカネがないので、風邪をひいても、よほどひどくない限り医者にはかからなかった。一時、慢性気管支炎のようになったのは、そのせいかもしれない。中学生のときの話だ。数年後、都知事選で美濃部亮吉氏を応援した。「老人医療費無料化」の一点で支持した。平和や公害問題などは正直、二の次だった。
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