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今週号は久々にトヨタ自動車に関する記事を入れた

 今週号は久々にトヨタ自動車に関する記事を入れた。当時の北米トヨタは、今の日本における東京電力のようなものと想像してもらえればいいかもしれないが、この問題はいまだに終わっていない。
 人命に関わる事故、閉鎖的な企業文化、消極的な情報公開、リーダーシップの欠如などなど。あらゆる点で批判され、社会問題になる条件をお釣りがくるくらい揃えていた。米政府は、トヨタについて公式に二つの機関に検証調査を依頼。一方、トヨタ自ら調査委員会を設置、市民団体も検証した。東電事故においてもせめて同等規模の検証調査をし、かかった費用は税金ではなく、東電が制裁金として政府に支払うのがいいだろう。
 中でも、厳しく追及したのが、ラルフ・ネーダーとチルドレンたちである。
 ネーダーを有名にした一つは、{Unsafe at any speed>(『どんなスピードでも自動車は危険だ』)という本だ。東電に置き換えれば、「どんな原発でも危険だ」となろうか。リスクへの構えは、かように必要ではないか。 (平井康嗣)