編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

NHK番組改竄事件

 今年のノーベル平和賞授賞式が12月10日、ノルウェーのオスロ市庁舎で開かれた。授与された2人はジャーナリスト。一人はフィリピンのネットメディア「ラップラー」代表のマリア・レッサさん(58歳)、もう一人はロシアの独立系リベラル紙「ノーバヤ・ガゼータ」編集長のドミトリー・ムラトフさん(60歳)である。2人への授与は、政治介入によって言論の自由が奪われてはならないという警鐘ともいえよう。

 日本でも20年前、政治介入によってある番組が改竄された。2001年1月に放送されたNHK・ETV特集「シリーズ戦争をどう裁くか」である。番組は、旧日本軍「慰安婦」制度の責任を追及した女性国際戦犯法廷を扱っている。本誌では今年1月から番組に携わった関係者のインタビューを掲載してきた。シリーズ4回目の今回は、企画を提案した当事者が初めて重い口を開いた。

 このほか、今号ではオミクロン株など、新型コロナの疑問に答えるQ&Aも掲載した。(文聖姫)