編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

ポケモンGO

 AR(拡張現実)ゲームのポケモンGOが子どもの夏休みにあわせてリリースされ、大人も巻き込み日本中でニュースになった。夏が終わればブームも一段落するのだろう。

 さて、子どもに人気のある二大アニメはポケモンと妖怪ウォッチだが、両者の違いについて、日本のパブリックリレーションズ(PR)の草分けである井之上喬氏風に分析すると、両者の持っているコンテクスト(文脈)の違いが大きい。

 いずれも子どもを主人公に仲間や友情や勇気を描く世界共通の物語ではあるが、ポケモンは設定から登場キャラまで多国籍かつ無国籍だ。一方、妖怪ウォッチは、小学生を主人公に日本人だけがわかるような文脈の妖怪やギャグをつめこみ共感を誘う。これだと日本人に受けるほど外国人には敷居が高くなる。日本で流行っても世界に通じるわけではない。

 井之上氏によれば、PRとは倫理観を伴い自己修正される双方向の関係構築だそうだ。特集の日中間でも文脈の理解を強要せずにすむ関係構築をしていきたいものだ。