編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

私は一五年ほど前、『週刊金曜日』を初めて手に取ったときに、

 私は一五年ほど前、『週刊金曜日』を初めて手に取ったときに、
いくつかの点で面白い雑誌だと感心した。
それは読者からの投書の多さと、独自の特集と、「買ってはいけない」などの企業批判だった。

 当時、投書は表2といって、表紙のすぐ裏にも載っていた。
 ここまで投書を強調する雑誌など見たことはなかった。
 デザイン上の都合から、今は後ろに固めているが、投書は読者の顔が見える貴重なページ。

 最近はPTA役員の方からの「日の丸・君が代」問題の投書への反響が続いている。
 素直で冷静な問題提起が共感を生んだのだろう。

 悪法も法なり正義なりと、行政はいろいろと押しつけてくる。
 しかし守りたくない「法」はいくらでもある。そもそももはや法が多すぎて守りきれない。

 私は個別の法よりも日本国憲法を基本的に重視しているが、
本音では憲法のもっている理念のみに従おうとしている。
 国民主権、基本的人権の尊重、平和主義。その立場からしても、
不起立の自由は国歌斉唱より尊重されるのは当たり前だ。

(平井康嗣)