編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

政治問題は永田町(の予算委員会)ではなく、地方の現場で起きている。

編集長後記

 政治問題は永田町(の予算委員会)ではなく、地方の現場で起きている。
 沖縄県では一一月二八日に県知事選の投開票がある。沖縄の民意は、新しい米軍基地はいらないということだ。地元では戦後最大の高まりを見せている。自民党ら基地推進派がかつぎ上げた仲井眞弘多県知事(沖縄電力元社長)でさえ、県外移設を明言した。
 山口県では中国電力と経済産業省が原発新設のため瀬戸内海を埋め立てようとしており、地元民は緊迫している。広河隆一さんの『DAYS JAPAN』と協力し、小誌も反対声明を出した。
 愛知県では生物多様性条約第一〇回締約国会議(COP10)が開かれている。この閉会を地元の大企業、トヨタ自動車は息を潜めて待っているらしい。同社は県内の里山を切り開いて巨大なテストコースを建設する予定。COP10終了まで建設に着手しないというのがもっぱらの噂だ。
 基地や原発は経済生活のために自然や暮らしや絆を破壊する。政治は何を目指しているのだろうか。 (平井康嗣)