編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

9・11で

 米ニューヨークの世界貿易センタービルにハイジャックされた旅客機が突入したことに始まる米同時多発テロから9月11日で25年になります。2977人が犠牲となり、ブッシュ大統領(当時)が「テロとの戦い」を掲げた戦争は泥沼化。アフガニスタン、イラクそしてイランと続きます。

「9・11」の影響は大きく、小泉純一郎政権は翌月、自衛隊法を改正し防衛秘密制度を導入。1985年に廃案になったスパイ防止法案の焼き直しで、日本民間放送連盟は「取材・報道の自由を侵害しかねない」と反対しました。

 本号で舟越美夏氏は「もう一つの被害」を報告しています。米国はテロとは無関係な人々をグアンタナモ収容所で拷問。釈放後も自由な生活の妨害を続けます。手を差し伸べたのはオランダでした。高市早苗首相は、特定秘密保護法に重ねてスパイ防止法の制定を狙っています。日本政府がすべきことの順序は逆ではないでしょうか。(臺宏士)