編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

福田政権誕生で、まだまだ続く寝苦しい夜

 秋の日射しは、いつからこんなに厳しくなったのだろう。日射しそのものの問題ではなく、包み込む柔らかな風が消えたのか。9月に入っても、真夏を思わせる炎天に襲われることは過去にもあった。だが、どこかに、肌に伝わってくる心地よさが隠れていて、それに気づくのもまた、ささやかな楽しみだった。

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福田康夫氏と小沢一郎氏が手を結んだら――考えるとぞっとする

 日本人は何かというと、信長、秀吉、家康にたとえるのが好きだ。すでに福田康夫氏を家康になぞらえる見方が出始めている。確かに、何度か総裁選に打って出る機会がありながら、じっと存在感を消し、勝てるとわかったら手を挙げるという戦略は、したたかである。麻生太郎氏に比べたら、はるかに老練だ。麻生氏の逆転は、よほどのことがない限り無理だろう。

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精神病院をぶっこわした国 イタリアに学ぶ

 大地、天空、風、川……すべてに「私という存在」はつながっている。そう強く実感する瞬間がある。この世界は、見事なまでに美しい統合体なのだろう。そしてまた、仮に人間が一つの宇宙なら、「私という存在」も統合体であるはずだ。細胞という細胞はつながり、無数の精神的資質も分裂することはない。

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「安倍首相辞任」を、主権者の一人として考えた

 この人には帰るところがあるのだろう。安倍晋三氏の総理退任記者会見を聞きながら、そのことを一番に考えた。どんなに失敗しても、批判されても、逃げ込む場所がある。だから、無責任な態度を平然ととってしまう。典型的な、線の細いエリートである。帰る場所がない人間は、そうはいかない。それこそ、ありとあらゆる努力をして、「今」にしがみつくしかないのだ。

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コンビニ批判がマスコミタブーなら、本誌が「身体検査」をしてみる

 慣れは恐ろしい。ドトールやスターバックスなどには、意地でも入るかと思っていたのが、今では平気でコーヒーを飲んでいる。コンビニを使うくらいなら、多少歩いてもスーパーや小売店に行くぞと、自ら言い聞かせていたのに、週に何回も足を運ぶまでになってしまった。情けないといえば情けない。

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