編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

外国人政策

 米国とイランの停戦協議は合意に至らなかったようだ。だいたいホルムズ海峡を共同管理して船舶から通航料をとるなんて、トランプ米大統領の頭の中は大航海時代だと言うしかない。もう一人、時代錯誤なのは、イスラエルのネタニヤフ首相だ。レバノンへの武力侵攻は、3000年前のダビデ王朝を夢見ているとしか思えない。これらの常軌を逸した行為によって、どれだけの人の命や生活を奪えば気が済むのであろうか。

 今号では日本の原油備蓄について、中東依存から変わっていない実態や、政府が今求められていることを後藤逸郎さんに執筆していただいた。外国人政策については座談会で、「仮放免」に置かれた当事者、エマさん(仮名)に参加いただいた。「不法滞在者」などと学校で言われたのは、高市早苗氏が首相になった後のことだ。短時間審議で今年度予算が成立した。首相が言う、国論を二分する政策の審議が始まるのか。(??田亮子)

伊藤千尋さん

 イランで「革命防衛隊」が巡回監視や情報収集、調理、医療の支援ボランティアを12歳まで引き下げて募集している。すでにイスラエルによる検問所への攻撃で、父親と警戒にあたっていた11歳の少年が死亡したという報道も。

 15歳未満の子どもを国軍や武装勢力が徴募したり戦闘で使用したりすることは戦争犯罪であると、国際条約のローマ規程で定められている。一方、国際社会は国際法違反の米・イスラエルを止められず、戦争の出口は見えない。

 そんな状況に「武力でなく対話」「九条の碑には平和な世界で暮らしたい思いがこもっている」と国際ジャーナリスト・伊藤千尋さん。4月4日、東京・町田市で初めて、全国で79番目となる九条の碑の除幕式で講演した。雨の中、175人が集まった。碑には絵本作家・長谷川知子さんの作品、ほうき(戦争放棄)を持つ少女や「子どもたちの未来に平和を」などの文言。訪ねてほしい。(??田亮子)

フリースクール

 2025年の自殺者数が2万人を割って過去最少となるなか、小中高生の自殺者が過去最多の538人となった。厚生労働省が3月27日に発表した。小中高生の自殺の動機は「学校問題」がもっとも多く251件に上る。G7(先進国)における10〜19歳の死因で、自殺が1位なのは日本だけだ。なぜ日本は子どもにとって生きづらい国なのか。

 今号の子どもの安全安心を考える特集では、不登校の子どもが増え、日本に500とも800ともいわれるフリースクールが「第三の居場所」として機能している実態を取り上げた。4月から新学期が始まる。わくわくドキドキの一方、つらい気持ちの子どももいるだろう。子どもたちの声にどう応えるのか、大人が問われている。あわせて紛争下の学校を守る「学校保護宣言」の取り組みを紹介した。18歳未満の5人に1人が紛争地にいるという現実に愕然とする。このままでいいわけがない。(吉田亮子)