編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

柳広司さん

 今週号の「編集長が行く」に登場いただいた柳広司さんのインタビュー当日、拙著『麦酒とテポドン』(平凡社新書)を持参した。私の人となりを知ってもらいたくて渡そうと思ったからだ。ところが、柳さんの手には『麦酒……』が。事前に購入して読んでくださっていたのだ。単純なもので、それだけで感動してしまった。

 あくまで私の推測だが、いろいろな面で事前調査を緻密にされる方なのだろう。それは著書にも現れている。『太平洋食堂』(小学館文庫)も、多くの資料にあたって緻密に書かれたことが容易に想像できた。それでいて読み物として面白い。大石誠之助、幸徳秋水、堺利彦ら登場人物たちが皆生き生きしている。

 インタビューの際に著者から勧められた『二度読んだ本を三度読む』(岩波新書)には、柳さんが30歳までに最初に読んだ18作品を紹介している。私自身、すでに読んだ本もあれば、この本に出合わなければ読むこともなかっただろうものもあり、いろいろと発見があった。(文聖姫)

料理連休

 4月末から5月上旬の連休中、韓国に行ってきました――と報告したかったところですが、急な仕事が入り韓国行きはキャンセルとなりました。まあ、連休中はホテルが高いという噂も聞いたので、次の機会でもいいかなと。現地在住の知人に聞くと、今ではソウルは東京より物価が高いのだそうです。

 で、仕事が一段落ついた後は、自宅で本を読み、料理をして過ごしました。普段はゆっくり料理をする暇もないので、料理作りは結構楽しく、ストレス解消にもなりました。最近は料理家だけでなくタレントや一般の方々も自身の考案したレシピを動画でアップしてくれます。それを参考に作ると、結構簡単でおいしいことが判明。最近一番気に入ったのが、新玉ねぎ焼きでした。作り方は簡単。新玉ねぎをスライスして小麦粉であえます。それを油をひいたフライパンで焼くだけ。動画ではソースの作り方も紹介していましたが、そのままでも十分甘くて、おいしかったです。ビールのアテにもぴったりですよ。(文聖姫)

岡山読者会

 本誌4月7日号でも書きましたが、3月26日、この日に結成された岡山読者会に参加してきました。岡山市はあいにくの雨でしたが、13人の方が参加されました。世話人は宇賀充さん、保護司です。岡山地域にはもともと倉敷読者会があり、宇賀さんもそちらに参加していましたが、「岡山にも作ろう」となったとのこと。この日は世話人の堀井進さんはじめ倉敷読者会のメンバーも複数来られていました。兵庫県からの参加者もいて、記念すべき第1回の読者会では非常に活発な議論を交わすことができました。

「『朝日ジャーナル』に比べたらお手軽な記事が多いのでは」との厳しいご指摘もありましたが、参加者がそれぞれ本誌への意見や励ましの言葉を述べてくださったり、日頃疑問に思っていることを率直にお尋ねになったり、そしてそれに私ができる限り答える、という意見交換の場は、とても有意義だと思いました。

 企画のヒントもいただけました。次はどの読者会にお邪魔しようかな。(文聖姫)