編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

コメがなくなる

 米価などの物価高騰が長引き、あちこちから悲鳴が。川崎で生活困窮者支援のため弁当を配っているキリスト教会の牧師は、協力してくれる農家から昨年届いたコメがあるものの、どこまで続けられるか不安だと話す。一方、配食の列に並ぶ人数は増え続けているという。ある小さな学校では給食で出すコメが高すぎて買えなくなり、通常の流通にはのらない粒の小さいコメ(中米)を農家から直接売ってもらい凌いでいるとか。

 ニュースによると、高齢者施設では給食費増加が経営を圧迫し、職員の賃上げができず人材が流出している。「人件費や光熱費も高騰していて施設の維持は限界だ」と話す特養の施設長も。すでに社会の仕組み自体が成り立たなくなっている。この状況がわからない前農水大臣の発言は本当に腹がたつ。私はと言えば、定期購入しているコメの分量が春から減ってしまった。でも、だからと言って食べる量は減らせず……。(吉田亮子)

加藤やすこさん

 今号「香害」の筆者、加藤やすこさんは自身も化学物質過敏症と電磁波過敏症を併発しながら、環境過敏症患者会いのち環境ネットワーク代表として活動するジャーナリストだ。最近も家族の手術の付き添いで病院控室にいたところ体調が悪くなったという。

 消毒剤に反応したのか、まず鼻から喉にかけて粘膜の痺れが広がるのを感じ、さらに動悸がして座っているのが辛く、ソファで横になるしかない状態に。機器への影響から携帯電話は禁止だったが、屋外から侵入するのか、電磁波の測定値は高かったそうだ。

 ふらつきながら帰宅したもののその後、痺れは焼け付くような痛みに変わり、しばらく声が出なかった。化学物質過敏症患者は人口の約8%、電磁波過敏症患者は約6%と言われる。毛が抜けたポメラニアンは人間の将来の姿だ。

「病院の環境を安全に整備することは医療スタッフの健康を守るためにもなる」とは加藤さんの言葉。(吉田亮子)

野津田公園

 終点でバスを降り、ゆるやかな坂を上って森林を抜けると開けた場所に出る。東京・町田市の野津田公園「上の原広場」だ。奥にはサッカーチームFC町田ゼルビアも使用するコートが見えるが、もとは「広場」の一部だった。4月、自然観察会と向かいの雑木林で映画上映会があった。

 ブラジル在住の映像作家、岡村淳さんが今年来日した際に制作した『里山の冬の華』は、同公園「湿生植物園」で白いガマの穂が一面に飛ぶ様子をとらえた貴重な映像だ。しかしここも「広場」も町田市は潰す計画だと主催者が説明すると参加者から悲鳴が。

 広大な野津田公園にはまだまだ豊かな自然が残るが、ゼルビアのホームスタジアムもあり、「広場」は人を運ぶための大型バスのロータリーになる計画。年間20未満の試合のために、絶滅危惧種の昆虫や植物を犠牲にするのか。

 5月3日、憲法大集会で声をかけていただき感謝! 報告は次号で。(吉田亮子)

今年も憲法大集会に出店

「子ども・男子を産まないことが、これほどまでのバッシングを許すこの天皇制社会を、皇太子夫妻を擁護する立場からではなく、どのようにきちんと批判できるのか」

 当時の騒動に対する桜井大子さんのこの問いは自らの問題としてきたからこそ出てきた言葉だろう。「天皇制」は引き続き次週も取り上げる。

 憲法特集では「前文」を中心に平和的生存権や国際協調主義について植野妙実子さん(中央大学名誉教授)に語っていただいた。その植野さんが登壇する集会がある。

 5月3日(土・休)11時~/パレード14時半~、東京・有明防災公園(りんかい線国際展示場駅4分、ゆりかもめ有明駅2分)で行なわれる「未来は変えられる!戦争ではなく平和なくらし!2025憲法大集会」(平和といのちと人権を!5・3憲法集会実行委員会主催)。今年も金曜日はブースを出店するので、ご来場の際はぜひお立ち寄りください。(吉田亮子)