編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

ガザの子どもたち

 この子たちは死ぬために生まれてきたのか。ガザ地区最大規模のシファ病院で、保育器から出された未熟児たちの写真を見て胸が張り裂けそうだ。イスラエル軍は同病院への発電用燃料提供を「ハマスに拒否された」と主張しているが、提供を申し出た燃料は300リットル。同病院のムニール・ブルシュ医師は『朝日新聞』の電話取材に、「スタッフや患者、その家族ら数千人がいる病院では、全然足りない」と突き返すと、「ハマスが拒否」と主張したという(『朝日新聞』11月15日付)。結局、戦争の最大の被害者は弱き者たちなのだ。

 戦争を止めるには、いやそもそも戦争を起こさないようにするためにはどうすればいいのか。そのヒントを与えてくれる絵本を最近読んだ。エッセイストの木村恵子さんが文を書き、イラストレーターのbiibiさんが絵を描いた『よかったね、よかったね。』(教友社)。「『戦争はやめて話し合おう』というのが結論」と木村さんは言う。木村さんの孫、そふぃあさんによる英語訳も付いている。(文聖姫)

プラットフォーム

 先日、とあるオンライン起業セミナーに参加した。『週刊金曜日』を持続させるためのヒントがないかを探るためだった。いろいろと勉強になったが、なかでも「お客様の悩みを解決するのがビジネス」という講師の言葉が印象に残った。これを本誌にあてはめるなら、読者が知りたい情報や知識を的確に伝える雑誌を提供するということになろうか。モニターやアンケートをはじめとする読者の声を参考に、どんなコンテンツを提供すればいいか、編集部内でも日々検討を続けている。

 今週号では、「記者たちはなぜ会社を辞めるのか」を特集した。近年、大手新聞や地方紙などマスコミを辞める記者が増えているのだという。優秀な記者たちが志半ばで去っていくのは残念だ。そこで考えた。『週刊金曜日』を、そういった記者たちが書く場としての“プラットフォーム”にしてはどうかと。彼・彼女らが書きたいこと、書けることを書く場所を提供する。そして、読者も喜ぶ。そんな場が提供できないか。そんなことを考えている。(文聖姫)

創刊30周年記念大集会来場&視聴御礼

11月2日に東京・神保町の教育会館で開催された『週刊金曜日』創刊30周年記念大集会には、多くの方にお越しいただきました。ありがとうございました。また、今回は初めてネットによる配信も行ない、全国で百数十人の方が視聴してくださいました。合わせると460人余りの方が参加してくださったことになります。

 会場では、読者会の方々にも大勢お会いしましたし、声をかけた在日コリアンの友人たちも駆けつけてくれました。とりあえず無事終わって、ホッとしています。

 しかし、未来に向けて課題も突きつけられた場でもありました。20代の韓国人留学生は私にこんな感想をメールで送ってきました。「若い記者の斬新でダイナミックなルポルタージュやフォトエッセイも見てみたい。若い読者にもっと近づくためには、もっと若い感覚が必要だ」。

 これからの30年を見据えるために若い人たちにどうアプローチしていくか。出版不況の中ではありますが、考えたいと思います。(文聖姫)

支えられて

 30年前の1993年11月5日、『週刊金曜日』創刊号が刊行されました。その記念号となる本号から、編集部員の本田雅和による連載「『本多勝一のベトナム』を行く」が始まります。本多さんは発刊当初から今まで本誌の編集委員を務めています。私も本多さんの『中国の旅』を読んでジャーナリストを志しました。本誌購読者にも本多さんファンは大勢いらっしゃると思います。渾身のルポです。どうぞお楽しみに。

 さて、この連載は今年4月からスタートした「サポーターズ制度」のおかげで実現しました。この場を借りて、改めてお礼申し上げます。今後もみなさんのご支援は、本誌のコンテンツ強化に生かしていきたいと考えております。

 出版不況、活字離れが進む中でも、『週刊金曜日』のような、ある意味では“小さな雑誌”がなぜ存続できるのか。それはひとえに読者のみなさんがいろんな形で支えてくださっているからです。そのことを肝に銘じ、本誌をいっそう充実したものにしていきたいと思います。(文聖姫)