編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

金時鐘さん

 金時鐘さんに話を聞いた目的は当初、ごく私的なものだった。本欄でも一度書いたが、私はいまライフワークとして家族の歴史を調査している。社会主義者だった祖父は「済州島4・3事件」の前に日本に来たが、残った家族は殺されたり、日本に行くことを余儀なくされたりした。そんなこともあって、4・3当時済州島にいた金時鐘さんに、当時のお話を聞きたかったのだ。10月、ご自宅にお邪魔して話をうかがった。昼から夕方まで3~4時間、話は多岐にわたった。この話は私一人が聞いただけではもったいない、と思い、後日了承を得てインタビューとして掲載させていただいた。

 ガザやウクライナで多くの人命が失われている。自民党安倍派の裏金問題は許しがたい。世界も日本も混沌としている。来年はどんな年になるのか。

 今年は今号が最後となりました。来年も読者のみなさまにより良いコンテンツをお届けできるよう、スタッフ一同頑張ってまいります。よいお年を。(文聖姫)

慈泰雄さん

 神戸在住の『週刊金曜日』読者、慈泰雄さん(87歳)はお坊さんである(いまは引退してお寺は息子さんの代になっている)。趣味人でもある。特にジャズに関する知識が豊富だ。これまでご自宅に二度お邪魔したが、ジャズのレコードやCDが書棚にずらっと並んでいる。“お宝級”のジャズギターも壁に陳列されていて、さながらジャズバーのようだ。今年10月初旬に訪れた際には、フランク・シナトラのボーカルを聴かせてくださった。伴奏はネルソン・リドル楽団である。シナトラといえば、「マイ・ウェイ」ぐらいしか知らなかった私だが、耳にとても心地よかった。

 慈さんは季刊誌『TRAD JAZZ NEWS FROM KOBE』も刊行している。先日№183が送られてきた。すべてお一人で作製している手作りの冊子だ。創刊は1990年なので、33周年。今年創刊30周年を迎えた本誌より3歳も年上だ。ジャズに関してだけでなく、社会問題や小説、ご自身が感じたことなどテーマもさまざま。時折本誌のことも紹介してくれる。(文聖姫)

出会い

 週刊金曜日に勤め始めてから5年半が過ぎた。新聞記者時代も含めると、この業界で記者・編集者として仕事をして25年以上がたったことになる。ここまで続けてこられたのは、何よりこの仕事が好きだからだ。なぜ好きなのか。いろいろ理由はあるが、何といっても、名刺1枚でさまざまな人に会い話を聞くことができるのが、私にとっては醍醐味である。

 先週末もある方を取材するため札幌に行ってきた。近々編集長インタビューとして掲載する予定なので、それまでは秘密だが、弱い立場の人たちのためなら労力を惜しまないすばらしい方だ。昼食時も入れるとたっぷり3時間話を聞いたのだが、まだもっと話を聞きたいと思った。飛行機の時間さえなければと、後ろ髪をひかれる思いで札幌をあとにした。

 振り返れば今年も多くの方たちにインタビューした。その方たちの言葉や人となりをできるだけ伝えたつもりだが、判断は読者に委ねたい。来年も多くの出会いを目指そうと思う。(文聖姫)

春日井読者会

 11月23日、愛知・春日井読者会に行ってきました。当日は12人の方が参加し、約3時間にわたって、熱を帯びた議論が交わされました。私が参加したということもあってか、本誌への注文も多くいただきました。

 印象的だったのは11月3日号に掲載した鈴木宗男氏のインタビューへの反応です。このインタビューに関しては、掲載直後にお叱りのメールも少なからずありましたので、私も気になるところでした。でも、「非難されながらもロシアを訪問した鈴木氏へのインタビューを待っていた」という御意見を述べてくれるなど、おおむね好評でした。もちろん、11月17日号の「金曜日から」の本田雅和の文章に「同感」だという方もいました。その他、ここには書き切れないほどの多くのことを得ました。これも直接読者と会って話ができたからだと思います。

 これからもできるだけ多くの読者会にお邪魔して、みなさんの声を直接お聞きする機会を設けていきたいと思います。(文聖姫)