編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

マンション

 東京23区の新築マンションの平均価格が1億3000万円を超え、過去最高を更新した(不動産経済研究所が7月17日に発表)。20年前は5000万円弱だったというから、あきらかに投機対象となっているのだろう。賃貸も同様に値上がりしているというから、ため息も出ない。いったいどこに住めというのか。

 今号は悪徳業者に狙われているマンションについて取り上げた。じつは、私が住むマンションも大規模修繕の真っ只中。これまで管理組合などに関心がなかったことを反省している。住まいは人権である。このような状況こそ国会でしっかり議論してほしい。

イスラエルによるシリアへの攻撃が止まらない。16日はテレビの生中継中に空爆があった。ネタニヤフ首相はテロリストを生み出す地域をどこまでも潰したいのだろう。暴力で抑え込んでもテロはなくならない。人類は何度同じ過ちをくり返すのだろうか。(吉田亮子)

共生

 どうやら自宅のルーターが壊れたのか、突然インターネットにつながらなくなってしまった。何も調べることができないし、入稿などのリモート作業もできない。こうなるともうパニックだが、逆に余計な情報も入ってこない。

 さて、参院選。SNS選挙に対抗するべく、今号ではファクトチェックに取り組む堀潤さんに執筆していただいた。くしくも岡本有佳さんには、韓国大統領選で実際に行なわれたSNSによる「コメント工作」の実態を潜入取材で暴いた記者にインタビューをしていただいた。こんなこと日本ではないよね、と言い切れないところが恐ろしい。日々垂れ流されるヘイトに、こちらもおかしくなりそうだ。

 これが、トランプ効果というものなのかもと思う。対立をあおり分断を深め、コントロールしやすいようにして自分の欲求を通す。その先にあるのは……。分断ではなく、共生社会を私は選びたい。(吉田亮子)

参政党

 参院選公示第一声で「キャッチコピーは日本人ファースト」「国民中心の国民主権の政治をやっていく」と言ったかと思えば、今度は「高齢の女性は子どもが産めない」。

 参政党・神谷宗幣代表が「日本の人口を維持していこうと思ったら、若い女性に子どもを産みたいなとか、子どもを産んだ方が安心して暮らせるな、という社会状況を作らないといけないのに、働け働けとやり過ぎた」と少子化対策について発言したという。

 そもそも「少子化対策」の大号令は、「産めよ、増やせよ」といった戦前の政策とどこが違うのか。だいたい人を労働資源としか見ず、「金の卵」「フリーター」「とらばーゆ」などの言葉で生き方まで誘導したのは誰なのか。

 本来は「少子化対策」ではなく、子どもを産む産まないにかかわらず、大人も子どもも一人ひとりが大切にされる社会をつくることが政治家にとっての最優先課題ではないか?(??田亮子)

『木の上の軍隊』

「沖縄の記憶を継ぐ」後半は沖縄の表現者に登場していただいた。『木の上の軍隊』は井上ひさしさんの遺志を継いだ舞台を映画化。「むずかしいことをやさしく やさしいことをふかく ふかいことをおもしろく」と、井上さんは伝えることにこだわった劇作家だった。30代の平一紘監督も負けていない。正しいのだから伝わるはずだと「おもしろくする努力を怠ると、伝えたいものも伝わらない」との言葉にわが身を振り返る。映画は木の上で過ごす少尉の山下一雄(堤真一)と新兵の安慶名セイジュン(山田裕貴)の関係性が変わっていく様子がおもしろい。監督の投影だという安慶名を演じた山田さんが、見事にはまっていた。

 さて、7月20日投開票が決まった参議院議員選挙。今号では佐高信さんと大山礼子さんが小選挙区制について、雨宮処凛編集委員が参政党の背後にあるものについて取り上げた。引き続き選挙関連を掲載していく。(吉田亮子)