編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

品格なき企業、トヨタはいずれ消えゆく

 朝刊の見出しは「トヨタ営業益半減へ」だった。よくよく記事を読むと、前期実績(連結)の2兆2703億円が1兆~1兆2千億円になる見込みとのこと。何のことはない、まだまだ1兆円ももうかっているのだ。資金繰りが困難になり倒産に追い込まれる中小企業からみれば、雲の上の、そのまた上の話である。

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「大恐慌」を逆手にとれないか

 キンモクセイの香りがいつもよりきつい。間もなく雨が降るのだろう。科学的思考の人なら、「湿度が高いのだから当たり前」と一言で解説するのかもしれない。だが、人間は科学で分析できるほど単純ではない。気分で嗅覚はいくらでも変わりうる。その日、いつになく私は、精神を解放できていたのだ。

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世界恐慌は、人間を粗末にした先進国や大企業へのしっぺ返しだ

 ゲームは終わった。紙切れどころか、パソコン上のデータにすぎない”カネ”が市場を席巻し、金融工学という、これもまた実態を伴わない”知恵”がもてはやされた、幻想の支配するゲームは終焉を迎えたのだ。かような遊戯は、ウオール街でも兜町でも、はるか以前から行なわれていた。だが、ここまで低所得者層を巻き込んだことはなかった。

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松下からパナソニックになっても、マスコミが楯突けない大スポンサーに変わりない

 企業城下町はあちこちにある。だが、今の日本は企業城下国だ。さらに、企業城下マスコミも目立つ。新聞記者時代の記憶をたどると、あれこれ“圧力”をかけてくる常連企業があった。トヨタ、東京電力、JR、セブンーイレブン、そして今週号から新連載「パナソニックの正体」で取り上げる松下電器――。もっとも、直接、社会部記者に文句をつけてくるわけではない。

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「貧困なる精神」の持ち主に一国の宰相は無理だ

 麻生太郎氏の目標は「総理になること」でしかなかったのだろう。日本に暮らす一人として、そんな人間に国を託したくない。首相の器なら、「日本をこのように変えていきたい」という具体的な目標、そして目標を達成するための戦略を持ち、熱い言葉で市民に語りかけるはずだ。麻生氏にはそれが欠けている。

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