編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

小学生との対話

 先週、小学6年生たちの前で講演してきました。講演会には結構呼ばれますが、小学生の前で話すのは初めてで、違った緊張感がありました。テーマはズバリ「編集長のお仕事」。『週刊金曜日』がどのようにして作られるのか、なぜ薄いのか、どんな記事が載っているのか、そもそも雑誌とは何か……などを説明しました。

 子どもたちが普段接する雑誌と言えば漫画。文春砲と言ってもキョトンとしています。週刊誌など未知の世界のもののようでした。でも、本誌が作られる過程や載せている記事について説明すると、子どもたちは興味津々で熱心に聞いてくれました。「編集長をやってて楽しいことはなんですか?」「大変なことは?」「どうして記者になろうと思ったのですか?」などなど鋭い質問を受けました。

 この春から中学生になる子どもたちの心に、雑誌の編集者・記者という仕事の楽しさが少しでも残ってくれたら、こんなにうれしいことはありません。私にとっても貴重な体験でした。(文聖姫)

編集後記いろいろ

 今週は年に数回ある「校了日が2日ある週」だ。本来校了日は月曜日だけなのだが、3月21日が休日のため、そうなる。そうでなくても週刊誌というのは、2号、あるいは3号分を同時並行で作っていかなければならないのだが、今週は特に忙しい。

 ということで、この後記も今週2回目の締切がやってきた。実はこの欄を書くために取材をしたり、本を読んだり、人から話を聞いたりすることが少なくない。毎号自分なりに気合いを入れて書いているつもりだ。というのも、編集部で「奥付」と呼ぶこの「金曜日から」というページが読者に結構読まれているからだ。編集部員だけでなく、業務部員らも執筆しており、それぞれ個性的だ。自分の身の回りの話を書く人、鋭い政治批判を書く人、はたまた自分が取材したり題材として扱ったりした出来事について、本記事では書き切れなかったことを書く人など。それを最初にチェックするのも編集長の仕事だが、毎回「第一読者」として、楽しく読ませてもらっている。(文聖姫)

鳥取に学ぶ

 2022年の「都道府県版ジェンダー・ギャップ指数」行政分野1位の鳥取県。幹部時代から知事時代にかけて、女性管理職登用などに取り組んだ片山善博さんにじっくり話を聞いた。16ページからのインタビューをぜひ読んでいただきたい。

 片山さんが、県政で女性をもっと登用すべきだと考えた背景には娘たちのことがあった。「娘たちがちゃんと仕事をして、自己実現を通じて社会に貢献できる組織、社会でないといけない」という思いを、まずは自分のところ(鳥取県庁)から実践してみたという。そんな片山家では、6人の子どもたちが幼い頃から、男女の別なく家事・育児を率先して手伝っていたという。おむつをたたんだり食器を洗ったり、長男がやるので、それを見た下の子たちも当然のように手伝いをする。結婚後も息子たちは「おむつを替えるのが得意」だそうだ。

 今号の特集では、統一地方選を前に、若者や女性が政治に参画しやすい社会にするためのヒントを探り、実践についても紹介した。(文聖姫)

中村哲さん

 先週号(3月3日号)に掲載した中村哲さんは、本誌の読者にも非常に人気がある。ぜひ誌面で紹介してほしいとのご意見を多くいただいてきた。2019年にアフガニスタンで凶弾に倒れるまで、医師として現地の人々を診続け、用水路建設などに携わってきた中村さん。現地の人々にとって本当に何が必要なのかを身をもって知っていた方だと思う。

 中村さんの35年間にわたるアフガニスタンでの活動を追ったドキュメンタリー映画『荒野に希望の灯をともす』もロングランを続けているという。谷津賢二監督に話を聞いてまとめたジャーナリスト、佐々木亮さんの原稿には、観客からのこんな感想も記されている。「武器ではなく鍬とスコップで平和になるんですね」。ウクライナで戦争が続いている今改めて、中村さんの仕事から多くを学ばねば、と感じている。

 そして、明日3月11日は、東日本大震災から12年。武藤類子さんへのインタビュー他、原発問題をテーマに特集を組んだ。(文聖姫)

読者会

 今週号のヒラ社長が行くで発行人兼社長の植村隆が取り上げているが、2月12日にみやぎ読者会の方々とお会いした。前日に植村の講演があるため、本誌の宣伝も兼ねて仙台に行くことにした。せっかくだから、読者会の方々ともお会いしたいと思い、代表の馬内里美さんに連絡したところご快諾いただいた。日曜日にもかかわらず、5人の方々にお集まりいただき、昼食時間も入れると4時間近く話を交わした。本誌への感想や注文を聞いたほか、編集過程での苦労話などを質問されるなど、話題は多岐にわたった。各地にある読者会にできるだけ顔を出したいと思っているが、日々の雑務に追われ、なかなか実現できていない。でもみやぎ読者会に参加して読者会にはできるだけ顔を出したいと改めて思った。読者の声に耳を傾けずに、独りよがりで雑誌を作っていたのでは、支持を得ることはできない。実は2月24日には東京・南部読者会にお邪魔したが、そこで「もっと読者の意見を聞いて」と言われた。肝に銘じていきたい。(文聖姫)