編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

チェルノブイリ

「チェルノブイリ子ども基金」から来年の「40周年救援カレンダー」が届いた。もう、そんな季節かと驚く。1986年のチェルノブイリ(チョルノービリ)原発事故で被災したウクライナとべラルーシの子どもたちへの支援を91年から続ける団体で、甲状腺手術後の子どもたちの保養プロジェクトなどを行なってきた。

 2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻がはじまり、原発事故への関心が薄らいでいるのは事実だろう。しかし一方で戦争によるあらたな原発事故の脅威が高まっている。日本では柏崎刈羽原発の再稼働が決まりそうだ。子どもたちの未来を守るために「チェルノブイリ」を忘れてはならないと思う。

 収益はチェルノブイリと福島の原発事故で被災した子どもたちの救援にあてられる。1000円。申し込みはチェルノブイリ子ども基金(電話/FAX03・6767・8808、cherno1986@jcom.zaq.ne.jp)まで。(吉田亮子)

マイナ保険証

「12月2日以降、医療機関等における資格確認については従来の健康保険証を利用することができなくなります」「マイナ保険証利用登録がお済みでない方を対象に、資格確認書を交付いたします」

 こんな文言とともに届いた資格確認書。出版健保からの封筒の中の厚紙に、確認書が張り付いていた。?がすとコーティングされているが、ペラペラだ。今まではプラスチックのカードだったので簡単に折れることはなかったが、これは取り扱い注意。大事なものなのにふざけてる! と憤慨して帰宅したら、つれあいのは薄い紙に印刷されただけで自分で切り抜くタイプ。すぐに使えなくなりそうだと、つれあいも困り顔だった。

 調べると、国民健康保険と後期高齢者医療保険は期限切れの保険証でも来年3月までは使えるとか、スマホ保険証は対応したカードリーダーがなければ使えないとか、いろいろ複雑。くわしくは、誌面であらためて。(吉田亮子)

犬笛

 11月4日の米ニューヨーク市長選でゾーラン・マムダニ氏(34歳)が当選した。「マムダニ旋風」などと報道されているが、本誌ではすでに7月18日号で早尾貴紀・東京経済大学教員が「政界ではまだ『無名』なマムダニが」「勝つ可能性が最も高い候補」で「イスラエル批判」をしているなどと紹介していた。選挙結果を受け、今号でも早尾さんがアンテナで取り上げているので、バックナンバーと併せてお読みいただければ。

 一方、日本の政治家と言えば、まずは日本維新の会の藤田文武共同代表。公設秘書の公金還流疑惑を報じた『赤旗』記者の名刺をX(旧ツイッター)上でさらし、記者に5500通を超える嫌がらせメールや電話が殺到しているという。連立与党の代表自らが「犬笛」を吹いた責任は重たい。

 そして9日、「犬笛」を吹いたN党の立花孝志党首が名誉毀損容疑で逮捕。こうした行為には、社会全体でNOを突きつけたい。(吉田亮子)

新しいメディア

 昨年のちょうど今ごろだったか。兵庫県知事選で当時の齋藤元彦前知事が予想に反して再選した。SNSを駆使した選挙戦の効果には驚いた。そして直近では参院選での参政党の躍進にも効果を発揮。しかしいずれも事実ではない情報を拡散し、それに基づきヘイトをまき散らす始末。そのせいかSNSなどから発信される情報には胡散臭いイメージがあり、受け取っていいものかとつい慎重になる。

 今号ではそんな認識をあらためさせてくれる「新しいメディア」を取り上げた。いずれも既存のメディア出身者が立ち上げたという。その一つ「生活ニュースコモンズ」の吉永磨美さんは「(新旧メディアが)役割分担すれば、社会全体としていい方向になる」と話す。そして「競って奪い合う時代ではなく共有する時代」だとも。メディアのあり方は大きく変わりつつある。創刊32周年を迎えた本誌の未来を考えるヒントになりそうだ。(吉田亮子)