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親父が自衛隊員だった首相が”脱法”改造をした

 親父が自衛隊員だった首相が”脱法”改造をした。
 九月の党代表選後までのリリーフかもしれないが、森本敏氏を防衛大臣に起用したのだ。 日米同盟強化派であることは当人に帰属する問題なので、論考は別の機会に譲ろう。

 初の民間人起用だと報じられているが、これは、慣習を破った問題人事であるという意味である。
 防衛については「文民統制」と言われてきた。
 これまで文民は非軍人の国会議員だったが、今回は非軍人ならばヨシと首相は一歩踏み込んだ判断をした。
 森本氏は元自衛官で拓殖大学教員の防衛省べったり路線だが、これで防衛官僚はますます増長するのではないか。
 すでに政権交代してから防衛予算は防衛省の意向通りに国会を通過しているとの批判もある。

 また来たる六月一二日には、都内荒川を練馬駐屯地の陸上自衛隊レンジャー部隊が小銃片手に行進するそうだ。
 前代未聞の図々しさだ。

 週末の日曜日は基地に翻弄される沖縄の県議選投開票だ。
 名護市の元助役候補の当落が気になる。

(平井康嗣)