編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

闘うメディア

 注目の米朝首脳会談。一連の流れの中で日本外交の問題点も浮き彫りになった。だが、大手メディアはなかなか報道しない。政府と大手メディアのリードする方向にとかく世論は流れて行きがち。では本誌の役割は? そんなふうに思い悩んでいると、時にガツンとされる出来事にあう。

 この週末、韓国ドキュメンタリー映画『共犯者たち』の自主上映会とシンポが連日行なわれた(本誌6月1日号で監督インタビューを掲載)。東京・なかのZEROホールでの上映会では507人の定員に、それを越える大勢の観客が詰めかけた。

 場内は騒然。結局、立ち見は許されず、払い戻しを主催者が丁重にお願いした。文句も聞かれたが、「これは画期的なことですよ、この映画にこれだけの人が集まるというのは」との一言が耳にとまった。

 映画はまさに韓国の権力とメディアとの闘いを描くもの。その闘うメディアを韓国市民が支援する。そして、そのドキュメンタリー東京上映会にこれだけの人が集まる――その事実に勇気づけられた。