編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

「米騒動」から90年、史実を辿りながら、来たる総選挙に備えたい

 「米騒動」という文字を、あちこちで見かけるようになった。輸入米問題のことではない。1918年に起きた、米価暴騰をきっかけにした庶民の反乱だ。富山県で、北海道に米を輸送する船を主婦らが阻止しようとする騒ぎが勃発。いったんは収まったが、商社に安価で売るように要求する動きは激化し、庶民の「勝利」が相次いだ。これをきっかけに、全国で、米の安売りを求めたり、米問屋を襲撃するなどの反乱が相次いだ。米の価格が急速に上がった背景には、第一次世界大戦後の好景気で、麦や稗から米食に切り替える国民が増えた一方、米の輸入量が減ったことがあるという。

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