編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

首相はわからないのか。金曜夜に官邸前に一万人が集まり大飯原発再稼働反対を叫んだワケを。

編集長後記

 首相はわからないのか。金曜夜に官邸前に一万人が集まり大飯原発再稼働反対を叫んだワケを。これは放射能ヒステリーではない。経済や政治や社会が大転換する大きな期待があるからである。なし崩しの再稼働は、その希有な芽を摘むだろう。政治家ならばこの空気をつかまえないでどうするのか。調整と決断を生業とする政治家に求められる仕事は、後世への希望を背中で見せることではないか。昨年の党代表選における野田氏の演説はほとんど覚えてない。ノーサイドにしましょうと党内の国会議員(有権者)に情で訴え、大穴的に首相の椅子を手に入れたことを唯一思い出す。それが今や地元船橋市で首相落選運動デモが起きるザマだ。弟の野田剛彦市議は次期市長選に出馬する噂だがここにも飛び火する勢いだ。

 一方、報道は少ないが、「原発のない鹿児島をつくる会」の会長も務める向原祥隆・南方新社社長が原発立地県である鹿児島の知事選(七月八日投開票)に立候補するという。庶民の怒りの火は燃え上がっている。 (平井康嗣)