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ウィキリークス、市川海老蔵、新幹線新青森開業が昨今の三大ニュースだった。

編集長後記

 ウィキリークス、市川海老蔵、新幹線新青森開業が昨今の三大ニュースだった。
 海老蔵については暴対法関連で言いたいこともあるが、特に気になるのはウィキリークスだ。日本では随分叩かれているが、重要性の高い国家機密文書を入手したら多くの記者が得意になって報道してきたのに不思議なことだ。飲ませ食わせもして政治家や公務員から情報や「紙」をとるのがメディア関係者の仕事、それができるほど評価されてきた。それをウェブを利用しシステム化しつつあるのがウィキリークス。使命感に燃えたハッカーやジャーナリストが協力して機密文書を公開し始めたら、旧メディアは商売上がったりだろう。
 ウィキリークスと協力しているアイスランドでは「不透明なタックスヘイブン(租税回避地)ではなく、国際的な調査報道の回避地、透明な天国を目指す」という提案が国会でなされ、進んでいるという。警察公安情報流出でも亀のように動けず、沼のように不透明な日本にいると信じられない話である。(平井康嗣)