編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

戦後80年

〈「おとうちゃん、いもができました。」といって、おとうちゃんをみると、もうこえがでません〉〈すると、その子供は「おばさん、これおばさんの子供にあげて。」と言って、何かを出しました。それは、おべんとうでした〉〈せんそうはいやだ。たたかいはいやだ。ぼくはそう思う!〉

 これは原爆を体験した子どもたちの言葉。これに、いわさきちひろの絵で構成した絵本が、7月に刊行されたばかりの『1945年8月6日 あさ8時15分、わたしは』(童心社)だ。67年刊行の『わたしがちいさかったときに』(同)で掲載された言葉を再構成したものだという。

 戦後「80年」というのは、そういう年数なのだ。体験者からは直接話が聞きにくくなり、人々からは記憶がなくなりつつある。しかも同じやり方をしていては次世代に伝わらない。そして新しい戦争をはじめてしまう……。だから古いものを新しくする努力が必要なのだ。(??田亮子)