一人ひとりの尊厳を保障するために
2026年5月1日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|admin
「人質司法」の非人道性を浮き彫りにした大川原化工機事件を機に裁判官が下した判断の結果責任に厳しい目が注がれるようになっています。そのなかで、水俣病の認定をめぐって福岡高裁の高瀬順久裁判長が4月23日に他の疾患の可能性を理由として訴えを退けたのは残念でした。
水俣病の行政責任を追及した番組で知られる元NHK記者の大治浩之輔さん(90歳)は、本号の特集「憲法の現場から」で「公害問題では被害者側に立った」(28ページ)と証言。その言を借りれば、同高裁は他の疾患である証明ができていないとして患者認定するのが、幸福追求権や生存権を掲げた私たちの日本国憲法の精神だと思います。
日本という国に集う一人ひとりの尊厳を保障するために憲法がある。『週刊金曜日』は、多数派にかき消されそうな人々の声に耳を傾けるためにある、との思いで本号から編集長を務めます。(臺宏士)
