編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

男の呪いと安倍首相

「もりかけ」問題や、共謀罪など重要な政治課題が審議されているなか、どうして今週号の本誌は“男”の呪いを取り上げるの? と思われる読者の方もいらっしゃるかもしれない。私には、いまの国会の状況が、まさにこの“男”の呪いが災いしているように思えてならない。

 すべての権力を持っているように見えて、実は“裸の王様”の安倍晋三首相に、「おかしいよ」ともの申す人が、どうして現れないのか。安冨歩さんが使う“立場主義”の概念が、私にはわかりやすい。もちろんこれは、自分の感情や考えを抑圧する“女性”にもあてはまるのだろう。

 それにしても安倍さんの空虚な答弁は凄いとしかいいようがない。参院法務委員会の共謀罪の審議中、答弁しようと挙手をする金田勝年法相の肩を安倍さんがつかんで阻止したときは驚愕した。左のお隣さんからも止めが入り、金田法相が気の毒に思えた。

 自分たちが作り出した呪いは、自分たちで解くしかない。こたえはシンプルだ。