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小池百合子氏

 なんと小池百合子氏が東京都知事になる。無党派票が小池氏にあそこまで流れるとは予想外だった。鳥越俊太郎氏は『週刊文春』により「淫行」だとレッテルを貼られたが、18歳以上の男女に淫行は成立しない。報道ではない「文春文学」のダメージは大きかった。

 護憲派の鳥越氏の正反対が小池氏だ。「借り物の憲法記念日5月3日を祝日から外します」とツイッターに書き込んだ過去のある小池氏は改憲派でも極右に位置する。もちろん小池氏の日本会議とも近い極右イデオロギーが有権者に支持されたわけではなく、知名度や守旧派との対決姿勢など選挙戦術が巧みだった。これから自民党本部、都議会自民党、小池氏の三者はどんなかけひきをするか。

 しかし、この間の選挙であらためて痛感したのはネガティブキャンペーンとの向き合いかただ。自民党のゲスな〝口撃〟を上品に受け流しているだけでは、野党は永遠に野党だ。佐高信氏や小林節氏、そして政権交代前の民主党のような痛烈な〝口撃〟力がリベラル派にも不可欠である。