編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

辺野古と祭り

 今国会で成立した共謀罪は、たとえ法務大臣が施行日を答えられなくとも今後我々を縛る。その悪法が先取りされているかのような事態が続く沖縄を、本号では特集した。

 先日、沖縄・辺野古ハーレーに行ってきた。爬竜船(はりゅうせん)を漕ぎ、速さを競う伝統行事だ。悪天候で一度流れ、迎えた今月4日、風は強かったものの、「これがハーレー日和」とのこと。

 地元の人たちと共にキャンプ・シュワブの米軍、沖縄防衛局も参加した。いかにも屈強そうな米軍チームが常勝するのかと思ったらそうでもない。子どもや女性たちが鍋を叩き地元優勝チームを迎える。この浜辺は計画案では作業用バックヤードになる。地元の人に聞くときっぱりと「ハーレーはなくなりません」。

 反対運動のテント村に変わりはないが、基地との境のフェンスにNO BASEなどと書かれたバナーがない。地元の人に配慮し、63枚すべてを取り外して保管、翌日また掲げるのだという。祭りができるのもこの美しい浜辺あってこそ。海の神様は、その守り人をきっと見ている。