編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

加藤やすこさん

 今号「香害」の筆者、加藤やすこさんは自身も化学物質過敏症と電磁波過敏症を併発しながら、環境過敏症患者会いのち環境ネットワーク代表として活動するジャーナリストだ。最近も家族の手術の付き添いで病院控室にいたところ体調が悪くなったという。

 消毒剤に反応したのか、まず鼻から喉にかけて粘膜の痺れが広がるのを感じ、さらに動悸がして座っているのが辛く、ソファで横になるしかない状態に。機器への影響から携帯電話は禁止だったが、屋外から侵入するのか、電磁波の測定値は高かったそうだ。

 ふらつきながら帰宅したもののその後、痺れは焼け付くような痛みに変わり、しばらく声が出なかった。化学物質過敏症患者は人口の約8%、電磁波過敏症患者は約6%と言われる。毛が抜けたポメラニアンは人間の将来の姿だ。

「病院の環境を安全に整備することは医療スタッフの健康を守るためにもなる」とは加藤さんの言葉。(吉田亮子)