編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

真っ当な話を聞く知恵と努力

 リニア中央新幹線について話を聞かせてくれたり、議員立法に詳しい議員を紹介してくれた自民党議員はいま、取材に応じる気配がない。党の役職に就いたからか? この間、編集部として与党議員にさまざまなアプローチをしてきたが、全体として以前よりも応じて貰うのが難しくなっているように感ずる。

 右旋回が強くなったこと、リスクを承知して、自由な言論の場に出ていくことを意気に感ずる議員が減っていることもあるのだろうか。今回の自民党の総裁選で、石破茂議員が「正直、公正」をキャッチレフレーズから外した。どれだけ窮屈な党なのだろうと呆れてしまう。

 もちろん7月27日号の衛藤征士郎議員のように、思想としてはまったく対立するばりばりの自民党議員に登場いただき、まっとうな話が聞けることもまれにはある。ちょっとした感動を覚えたもんなあ。それを考えると、適当な相手を探し、交渉してOKをとるこちらの知恵や努力が不足していると反省するしかない。

(編注)石破氏は8月27日、党総裁選に向けたキャッチフレーズ「正直、公正、石破茂」を変えない考えを表明した。