ライシャワー学園
2025年6月13日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|admin
東京都町田市に手話を使わない私立聾学校がある。この学校法人日本聾話学校が、この4月から学校名を「きこえの学校 ライシャワー学園」に変更した。創立者の名前からとったもので、「聴覚主導の人間教育、心と耳をひらく教育を必要としている人に届けるため」と鈴木実校長。
つまり障害の早期発見や、補聴器や人工内耳の発達で「きこえの環境」は向上したが、言葉を通してコミュニケーションをとることは軽視されるばかり。そんななか「他者とのかかわりのなかで言葉がひらかれる」(水口洋理事長)という取り組みに専門性を持つ学校の存在意義をみる。
先日のイベントでは生徒らが歌を披露。「聞き、話し、歌うことを楽しんできた」と中学生があいさつしたように、学校生活を体現する時間だった。「学んだのは聴くこと」と話した卒業生も。「聞き合うことからコミュニケーションは始まる」(水口理事長)。
(吉田亮子)