編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

秩序の崩壊の始まり

 本誌では最近、ロシアのウクライナ侵攻問題に力を入れている。さまざまな角度から企画を掲載しており、今号では安全保障の側面について、柳澤協二氏に語ってもらい、国内外に避難しているウクライナの子どもたちや母親への支援をいち早く始めたNPO法人日本チェルノブイリ連帯基金の取り組みについて、理事長を務める鎌田實さんに寄稿してもらった。「戦後秩序の崩壊の始まりか」と題する小武正彦さんの視点も載せた。実際、当事国であるロシアが安全保障理事会常任理事国であることから、国連はウクライナ侵攻で十分な役割を果たせていない。ロシア非難決議で中国やインドなど35カ国は棄権票を投じた。

 今号では、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の大陸間弾道ミサイル(ICBM)についても二人の識者にインタビュー、寄稿してもらった。この問題でも、安全保障理事会常任理事国の中国とロシアが北朝鮮に一定の理解を示している。

 国際社会は分断へと進んでいくのか。(文聖姫)