編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

ウクライナとゲノム

 次々病院に運ばれるけが人、劣悪な環境下で出産しなければならなかった女性、脱出する多くの人々の列、国に残る父親と別れたくないと泣き叫ぶ男の子――テレビ画面を通じて伝わるウクライナの現状だが、断片的な報道に過ぎない。いまウクライナで何が起きているのか。テレビや新聞報道、ネットなどを通じてしか知るすべがない。読者に少しでも現場の状況をお伝えしたいと思っていたところ、ジャーナリストの金平茂紀さんがウクライナに入ったと聞いて、今号で現地ルポを書いてもらった。「ウクライナ侵攻は、現場にいなければわからないことだらけだ」と金平さんは指摘する。

 特集は「ゲノム編集食品」。詳細はぜひ読んでほしいが、豚の心臓を移植された男性の話にはゾッとした。結局、その男性は亡くなった。

 9日の韓国大統領選挙の結果、韓国では5年ぶりに保守政権が誕生する。当初は「尹錫悦優勢」と思われていたのに、なぜ接戦となったのか。詳しく分析した記事も掲載した。(文聖姫)