編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

注目したい

 間違ったことをして、それを押し通そうとすると、次々と嘘をつきつづけなければいけない。さすがに公然と嘘をつくことがはばかられる国会答弁で、前政権は「ご飯論法」なるごまかし(「朝ご飯食べた?」「(パンだったから)食べていない」)や論点ずらしに走った。

 今回の日本学術会議の任命拒否問題を巡る政府の答弁をきいていても、まさにそういう事態に陥っていると感ずる。まもなく臨時国会が開かれるが、メディアも追及の手を緩めてはいけない。

 安倍晋三前首相のさまざまな疑惑について、強弁をつき崩し、真相究明に寄与した国会議員の一人が、今週号に登場いただいた小川淳也衆議院議員(立憲民主党)だ。

 インタビューに立ち会わせてもらったが、国会質疑を見て抱いたイメージ通りだった。弱さに向き合える強さを持っている。小川さんの場合は、小選挙区のライバルが平井卓也デジタル大臣なので、よけいに世襲でない政治家の心意気を感ずる。菅首相にどう挑むか。注目したい。