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1万筆を超えた

「公正さ」という言葉が安倍晋三首相には理解できていないとしか思えない。佐川宣寿国税庁長官(前財務省理財局長)の罷免を求める要望書が目標の1万筆を超えた署名を添えて21日、財務省と国税庁に提出された。

「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」がネットなどで署名を呼びかけた成果だ。佐川氏に関しては国会での答弁が虚偽であることが、報道などで明らかになっている。罷免を求める主な理由は、日本国憲法15条第2項「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」で謳われている適格性を欠くことだ。

 にもかかわらず、税金を集める役所のトップに収まり恒例の就任会見も開かずじまいというのは、呆れるしかない。

「首相の悪事をかばうことで出世が叶うなら社会正義などなくなってしまう」「税務職員として仕事がしにくいので、早く辞めてくださるようお願いします」などの声が同会には寄せられている。「人の噂も七十五日」、このまま逃げられると考えているとしたら、大間違いだ。