編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

安倍首相と小池知事

 9月26日の安倍首相の所信表明演説中の自民党議員による総立ち拍手に、大げさかもしれないが戦慄した。これまでも党員の総立ち拍手はあったが、あの日の姿から伝わってくるのは暴力的な傲慢さや、その反対のお気楽さだ。政治に限らず物事には、目的を設定し、考えて行動し、最終判断をする手順があるが、旧民主党は熟議で判断ができず、安倍政治は違憲でも構わず乱暴に決めてしまう。

 では小池知事はどうか。周囲の友人に何に関心があるのか聞くと、「豊洲」だという声が多い。しかしどうにも関心が湧かない案件だ。地下の穴について連日、総力取材が続いており、小池百合子新都知事が名探偵のように、犯人をぶった斬る結末を世間は待っているらしい。小池氏はクールビズやハイブリッド戦闘機など話題づくり!?上手、郵政解散選挙の刺客候補としての喧嘩上手、などが印象にあるぐらいだ。結局、政治信念はよくわからず朝鮮学校の補助金支給停止などを見ても、ポピュリズム政治家にすぎないのではないか。