編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

『セブン-イレブンの罠』はビジネスホラー!?

思わずヒザを叩いてしまった。
そう、そうなんです。よく言ってくれました。

<その1>「シートン俗物記」のDr-Setonさん

 「自分も勘違いしていたのだが、こうしてセブンイレブン商法を俯瞰してみると、これは小売業ではない。ずっと、えげつない手段を使った商法だ、と思っていたのだが、そうではなく、小売業を装った詐欺なのだ」

<その2>「深町秋生のベテラン日記」 作家の深町秋生さん

「これ(コンビニ商法)は派遣労働の問題よりも根が深いといわざるを得ない悲劇のビジネスモデルなのだ」

<その3>献本させていただいた「5号館のつぶやき」の栃内新先生

「脱サラして、小売店を廃業して、あるいは親の遺産をつぎこんで、コンビニのフランチャイズになろうと思っている方は、まずこの本を読んで再考してみることをおすすめします」

 いずれも弊社刊行『セブンーイレブンの罠』の読後感。さすがにアルファブロガーの指摘は簡潔にしていて要を得ているだけではない。本質をズバリとついている。セブンーイレブン商法は詐欺で、悲劇のビジネスなのだ――。
 ところが、こうした実態はまったくといっていいほど表面化してこなかった。コンビニに関する報道といえば「強盗」くらい。なぜか――。「クライアントタブー」があるからだ。「悪口や批判を報道したら広告を出しませんよ」と、電通を通して新聞社やテレビ局を脅すのである。
「ふざけるな、やれるならやってみろ」と啖呵を切って記事にしたのは、はるか昔のこと。いまや「はい、わかりました」となってしまうのが実態。かくして、さんざん悪さをしながらセブンーイレブン本部だけが「いい気分」に浸り大もうけしていたのである。
 そこで、広告に頼らない『週刊金曜日』がキャンペーンをはったところ、裁判でセブンーイレブンが負けたり、公取が動くやらで、さすがにマスコミも「セブンーイレブンの問題点」を報じるようになった。とはいえ、どこも上っ面をなでるような“コンビニエント”な記事ばかり。それに比べると、手前味噌ながら『セブンーイレブンの罠』は凄い本である。どこが凄いか――。

<その4>再びDr-Setonさんの「シートン俗物記」から

「この本のオビには高杉良氏が「小説化したい想いに駆られる!!」と推薦文を書いているが、この部分はスティーブン・キング絶賛!!でも構わない感じがする。それくらい、市井の人々がセブンイレブンの罠に嵌って底無しの沼に引きずり込まれるかの描写は恐怖を誘う。
これはもう、ビジネスの世界を舞台にしたホラーだ。新ジャンル、ビジネスホラー」

 さて、コンビニの天皇・鈴木敏文氏役にはだれを使おうか。もっとも、そんな度胸のある俳優がいるかなあ?