編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

ウクライナ

 すでに子ども14人を含む少なくとも352人のウクライナ市民が死亡したと、同国の保健省が2月27日に明らかにした。ポーランドとの国境などには避難民が押し寄せている。国境には子どもたちの泣き叫ぶ声が絶えないというテレビ報道もあった。

 今回のロシアによるウクライナへの侵攻は、ロシアのプーチン大統領がいかなる理由を並べ立てようと正当化できるものではない。プーチン氏は27日、核戦力を含むロシア軍の戦力を特別態勢にするよう命令した。ロシア国内でも反戦デモが行なわれているが、弾圧され多くの逮捕者が出ている。

 今回の軍事侵攻を遠い欧州の出来事として見過ごすわけにはいかない。今号では、ウクライナ東部紛争を巡る和平合意「ミンスク合意」を現場で取材した『朝日新聞』元モスクワ支局長に、プーチン氏の頭の中を分析してもらった。ロシアとウクライナの両国は停戦交渉実施で合意したが、予断を許さない。今後も引き続きこの問題を多方面から報じていく。(文聖姫)