編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

韓流

「『週刊金曜日』で韓流特集をやりたいね」。辛淑玉さんからそんな提案が寄せられていると、一昨年秋、同僚の宮本有紀が知らせてくれた。常日頃、BTS(防弾少年団)だの、「愛の不時着」だのと騒いでいるから、適任だと思ったのだろう。企画が動き出したのが昨年の春。半年かけて実を結んだ。特集では、辛さんが「韓流」に詳しい3人とそれぞれ対談した。朴慶南さんとは「韓流」の歴史を語りあった。木村元彦さんとは、日本の映画・ドラマの中の在日がテーマだった。北原みのりさんとは、「韓流」の中でフェミニズムがどう描かれているかが中心の話題となった。三つの対談を通じて、「韓流」の面白さが読者にもわかっていただけるのではないかと期待する。日本政府が佐渡金山遺跡の世界文化遺産登録をユネスコに推薦すると表明した。韓国は、同地で戦時中に朝鮮人の「強制労働」があったとして、反発している。このままでは日韓関係のさらなる悪化は避けられない。こんな時だからこそ、特集で文化交流の大切さを伝えられたらと思う。(文聖姫)