編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

知恵を広める

「逃亡犯条例」改正案をめぐる、香港の立て続けのデモには目を奪われた。本誌今週号で報告している。人々の抗議は改正手続きの無期限延期を引き出したが、行政長官の退任を求めるステージに入った。

〈自由は自分たちで守っていく〉という気概、おおいに見倣いたい。東京・渋谷でも、香港の人々を支援する集会が行なわれ、道行く若者、外国人も参加して、これまでにない直接行動になったようだ。

 先週末には「年金2000万円不足問題」に関連したデモも東京・日比谷で行なわれた。こちらも誌面で取り上げたが、このデモ、ホリエモンがツイッターでくさしていた。批判の意味は不明だ。

 国会パブリックビューイング代表の上西充子さんの話題の書『呪いの言葉の解きかた』(晶文社)を開く。「若者の思考の枠組みを縛」る呪いの言葉に、〈デモなんかで何が変わるの?〉がある。「デモにも行かずに何かが変えられると思うの?」と切り返せるよって言う。そういう知恵を広めること、日本では重要だと思う。