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安保政策の転換

 本誌が読者に届く頃には、日本の安全保障政策が大きく転換しているかもしれない。年内に改定される安全保障関連3文書のことだ。政府は今日(16日)の閣議決定を目指していると『朝日新聞』が12月10日に報じている。一番の注目点は、「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有を明記することだ。また、2027年度に安全保障関連経費の予算水準がGDP(国内総生産)の2%に達することを目指すとされる。中国、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)、ロシアといった周辺国の認識も明記される。

 今号では「安保大転換」と題し、安全保障関連3文書改定問題について特集した。本誌連載の「半田滋の新・安全保障論」でもおなじみの防衛ジャーナリスト、半田滋氏に文書改定の隠された理由について寄稿してもらった。そして、安倍晋三元首相の秘書官として防衛政策の転換に伴走した島田和久・前防衛事務次官にも登場していただいた。「安保大転換」を進める側の論理について、率直な話を聞くことができた。(文聖姫)