編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

親子

 白のダウンジャケットに黒のパンツ、赤い靴を履いた少女が金正恩・朝鮮労働党総書記と手をつないで、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を視察する写真を11月19日、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)のメディアが伝えた。18日に実施された発射実験を報じた際に公開したものだ。「愛するお子様と女史と共に」実験を指導したと報じていることから、少女は金総書記の娘と見られる。金総書記の子どもが公開されるのは初めてだ。

 韓国の「聯合ニュース」によると、金総書記には2010~17年に生まれた3人の子がいるとされ、1人目が息子、2人目が娘、3人目は性別不明だ。北朝鮮指導部が金総書記の娘を公開したことは今後の後継問題と関連して注目される。ただ、北朝鮮でかつて女性が「最高指導者」に選ばれたことがないことや、まだ幼いことから、彼女が「後継者」と見るのは早計だろう。でも、なぜあえてICBM実験現場に同行させたのだろうか。私にはそっちの方が気になる。(文聖姫)