編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

「闘うジャーナリスト」の末席に

 東京造形大学名誉教授の前田朗さんからインタビューの申し込みがあったのは、編集長になりたての昨年11月のことだった。『月刊マスコミ市民』で連載している「ジャーナリズムが若かった頃」に掲載したいのだという。ヘイトスピーチやヘイトクライムに関する著書が多く、差別問題にも取り組んでいる前田さんからの依頼だったので、お引き受けした。

 そのインタビュー連載が最近、『ジャーナリストたち 闘う言論の再生を目指して』(三一書房)という1冊の本にまとめられた。9人のジャーナリストが登場する。差別や歴史修正主義と闘い、沖縄問題に取り組み、レイシストたちに立ち向かってきた「闘うジャーナリスト」たちだ。私もその末席に加えていただいたことを光栄に思う。9人のうち女性が5人である点もうれしい。私が若い頃、女性ジャーナリストは少なかったが、いまや業界で活躍する女性も増えた。その先駆けとなった方々だ。今後のジャーナリズムを考えるためにも、ご一読をお薦めする。(文聖姫)