編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

ガザの子どもたち

 この子たちは死ぬために生まれてきたのか。ガザ地区最大規模のシファ病院で、保育器から出された未熟児たちの写真を見て胸が張り裂けそうだ。イスラエル軍は同病院への発電用燃料提供を「ハマスに拒否された」と主張しているが、提供を申し出た燃料は300リットル。同病院のムニール・ブルシュ医師は『朝日新聞』の電話取材に、「スタッフや患者、その家族ら数千人がいる病院では、全然足りない」と突き返すと、「ハマスが拒否」と主張したという(『朝日新聞』11月15日付)。結局、戦争の最大の被害者は弱き者たちなのだ。

 戦争を止めるには、いやそもそも戦争を起こさないようにするためにはどうすればいいのか。そのヒントを与えてくれる絵本を最近読んだ。エッセイストの木村恵子さんが文を書き、イラストレーターのbiibiさんが絵を描いた『よかったね、よかったね。』(教友社)。「『戦争はやめて話し合おう』というのが結論」と木村さんは言う。木村さんの孫、そふぃあさんによる英語訳も付いている。(文聖姫)